タイヤの溝の深さって買取査定に影響する?

タイヤの溝の深さで買取査定が変わる

自動車の典型的な消耗品のひとつであるタイヤ。新品の時は深い溝が刻まれたタイヤも、距離が伸びると共に消耗し溝が浅くなっていきます。

タイヤ交換の目安として存在する「スリップサイン」が露出すると、そのタイヤは安全ではないと判断され車検に通らなくなります。車検に通らないタイヤを履いているということは買取査定においてもマイナスになりそうな気がしますよね。

スリップサインが出ている場合には買取査定においてマイナスになるのか? 逆に比較的新しいタイヤであればプラス査定になるのか?

タイヤの溝にまつわる買取査定の疑問にお答えしていきます。

    目次
  1. 新品タイヤの溝の深さってどの程度?
  2. スリップサインとは?
  3. タイヤの溝の深さによる査定額の増減
    1. サイズによっては新品への交換も視野
  4. スタッドレスタイヤの場合は?
  5. スペアタイヤが欠品している場合は?
  6. タイヤの溝の深さによる買取査定のまとめ

新品タイヤの溝の深さってどの程度?

カー用品店やタイヤ専門店などに売られているタイヤには必ず溝が刻まれていますよね。商品や目的によって溝が多いもの、少ないものが存在しますが、レースに使われるような溝なしのタイヤというのはまず売られていません。

この溝、どのくらいの深さがあるのかというと、夏用タイヤの場合新品の状態で約8mm。スタッドレスタイヤやスノータイヤは8~10mmと少し深くなります。

溝が深ければ深いほど新品に近いことを意味し、性能が高いうえに次回の交換までの期間が長くなるため、買取査定でもプラスになりやすくなります。

溝はなくても問題ない?

査定の話からは少し逸れますが、タイヤの溝というのはグリップ性能を落としてしまう存在というのはご存知ですか?

サーキットを走るレース用の車は「スリックタイヤ」と呼ばれる溝がないタイヤを使用していますよね。それは走る・曲がる・止まるという基本的な性能を考えた場合、単純にその方が性能が高いから。溝があると余計なたわみやグリップ力の低下を招くのです。

それでも溝が必要なのは雨や雪の存在があるから。ドライな路面であれば溝なしがベストであるものの、雨で路面が濡れると一転して危険なタイヤになってしまうのです。

なぜなら溝がないと思うように水を排出できず瞬間体にタイヤが浮いてしまうから。そうなると車はコントロールを失います。教習所でも習った「ハイドロプレーニング現象」というやつですね。

雨が降って水たまりができてしまったとしても安全に走ることができる…そのためにタイヤの溝は存在しているのです。当然ながら溝が深ければ深いほど排水能力は高くなります。

レースでは雨が降ればすぐにレインタイヤに交換できますが、私たちが使用する車はそうはいきません。そういった意味でも溝は深い方が安全であるのは言うまでもなく、当然価値も高くなります。

スリップサインとは?

タイヤには必ず「スリップサイン」というものが存在します。スリップサインとは側面にある三角のマークの延長線上にある溝の中の突起を指します。

このスリップサインは「ここまで減ると危険だよ」という目安であり、溝の残りが1.6mmになると完全に露出する形となります。

タイヤのスリップサイン

ちょっと路面が濡れる程度の雨であればまだしも、あちこちに水たまりができるようなしっかりとした雨の中をスリップサインが露出したタイヤで走るのは危険。

実際この状態では危険とみなされ車検に通りません。

車の買取査定においてもスリップサインが出る目安である残り溝1.6mmあるかないかでマイナスになるかどうかが決まってきます。

タイヤの溝の深さによる査定額の増減

実際にタイヤの溝の深さがどの程度査定に影響を与えるのか見ていきましょう。

溝の深さによる査定額の加減点はホイールのインチによっても変わってきます。ホイールが大きければ大きいほど加減点の幅が大きくなり、小さければ幅も狭くなります。ホイールが大きくなればなるほど対応したタイヤの価格は高くなっていきますので当然といえば当然ですよね。

インチごとの査定の加減点は以下の通り。この点数は1本あたりのもので、1点につき1,000円に換算します。

インチ\残り溝 1.6mm未満 1.6mm以上 5mm以上
19インチ以上 -35 0 +8
18インチ -30 0 +7
17インチ -25 0 +6
16インチ -17 0 +5
15インチ -13 0 +4
14インチ -10 0 +3
13インチ以下 -9 0 +2

見ての通りスリップサインが出ているであろう1.6mm未満の溝しかないタイヤは大きな減点となってしまいます。この表はあくまでも1本あたりの減点であるため、4本すべてが1.6mm未満だった場合、17インチだと10万円のマイナス査定に。

サイズによっては新品への交換も視野

一方で5mm以上の溝があるタイヤではプラス幅は微々たるもの。なんか納得がいかない気も…それでも17インチの場合、1.6mm未満と5mm以上の差額は1本あたり31,000円。

そう考えると、スリップサインが出ている場合ネットで格安タイヤを購入して、持ち込みで安く組み替えてくれる店で交換したほうが得することになります。17インチでも普及サイズであれば4本3万円とかで買えますからね。

一般的に車の傷や不具合は修理しないで売却したほうがトータルで得をするとされていますが、スリップサインが出ているタイヤに限っては格安タイヤに交換したほうがトータルでプラスになる場合もありそう。

多くの車が採用しているとあって価格が安い傾向にある205~225くらいの幅で扁平率45~55、かつ減点幅が大きい17インチや18インチであればネット上に安いタイヤが溢れていますので交換についても一考の価値あり。

ただし、この加減点表はあくまでも目安であり車のクラスや基本となる査定額、買取業者ごとによる独自の基準が加わってくるため、「スリップサインが出ている場合新品の安いタイヤに替えたほうが良い」と言い切れないのが痛いところ。

ちなみに、スリップサインが出ていなくてもひび割れや亀裂、片べりなどが見られる場合は1.6mm未満として減点されます。

スタッドレスタイヤの場合は?

スタッドレスタイヤの買取査定

上記の査定の加減点はあくまでも夏用タイヤのもの。スタッドレスタイヤやスノータイヤの場合はまた状況が異なってきます。

これら冬用タイヤの加減点は以下の通り。

インチ\残り溝 5mm未満 5mm以上 8mm以上
17インチ以上 -25 0 +6
16インチ -17 0 +5
15インチ -13 0 +4
14インチ -10 0 +3
13インチ以下 -9 0 +2

インチごとの加減点の幅は夏用タイヤと同一ながら、残りの溝が大きく異なります。スタッドレスタイヤなどは溝が5mm以上残っていないと十分な効果を発揮しないため、5mm未満では減点になってしまうのです。

一方、8mm以上では加点になりますが、8mmってほぼ新品だぞ…

スタッドレスタイヤに関しても残り溝が5mm以下の場合、17インチで格安のものがあれば交換という手も。ただ、スタッドレスタイヤは夏用タイヤに比べ高価であるため旨味は少ないか。

加えてスタッドレスタイヤやスノータイヤといった冬用タイヤを履いている場合の査定は「地域性を考慮して適用」という注意書きがあるため、東北地方や北海道などの豪雪地帯だけを対象としている可能性も。

関東以西であれば夏用タイヤで査定に出すのが無難でしょう。

スペアタイヤが欠品している場合は?

近年はコスト削減や軽量化を理由にあまり見なくなったスペアタイヤ。だからといって元々スペアタイヤが標準装備の車の場合、これが欠品しているとマイナス査定になります。()内はスペアタイヤのホイールがアルミの場合。

インチ スペアタイヤ欠品
19インチ以上 ―(82)
18インチ ―(68)
17インチ ―(57)
16インチ 27(46)
15インチ 22(36)
14インチ 18(31)
13インチ以下 16(29)

ちなみに「スペアタイヤ」とは、その車に装着されているホイールやタイヤと同サイズのものを指します。RVやSUVの背面に積まれているタイヤを思い出せば分かりやすいか。

一方、多くの人が「スペアタイヤ」だと思っているであろう、トランクの底部などに積まれている、幅の細く黄色や黒の鉄チンホイールのものは「テンパータイヤ」もしくは「応急用タイヤ」と呼びます。

上記の表はあくまでもRVやSUVなどに積まれているスペアタイヤの欠品時のもの。

スペアタイヤは基本的に1本のみであるため、鉄製ホイールのものであれば仮に欠品していたとしても極端なマイナスにはなりません。しかしRVやSUVの場合アルミホイールであることも多く、そういったケースではマイナス幅も大きくなりがち。

一方、テンパータイヤ(応急用タイヤ)が欠品している場合は一律マイナス15点となります。ただし、RX-7(FD3S)やGTOに標準装備されているアルミ製のテンパータイヤの場合は減点が大きくなる可能性も。

なお、近年スペアタイヤに代わって増えているタイヤ修理キットの場合、欠品していると15点の減点になります。

タイヤの溝の深さによる買取査定のまとめ

車に乗れば乗るほど確実に減ってくるタイヤは買取査定において評価対象となり、スリップサインが出ているかどうかが大きな分かれ目となります。

15インチ以下であれば交換の手間や費用を考えスリップサインが出た状態で売却したほうがトータルでお得になるケースが多くなる一方、近年増えていることもあってタイヤの価格が下がってきている17、18インチであれば新品に交換したほうがお得になる場合も。

幅が235以上のものや40扁平以下のものなど特殊なサイズ以外ならネットで格安タイヤを購入し、持ち込みで交換することも視野に入れてみてください。

ただし、すでに査定がほとんど付かないような車の場合、タイヤを新品に替えたところで損をする可能性が高い。可能であれば査定の際に、新品に替えた場合どの程度違うのか確認したいところです。

とはいえ、常識的に考えればスリップサインが出ていない車がほとんどのはず。ある程度タイヤが減っていたとしてもスリップサインが出ていなければマイナス査定になることはないという点は安心材料ではないでしょうか。

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